ニコンは12月26日、牛の分娩の兆候・開始をAIと画像解析技術で検知し生産者へ知らせる、ライブモニタリングシステム「NiLIMo(ニリモ)」を開発し、ニコンソリューションズが発売することを発表した。

母牛は分娩が近くなると運動量が増加し、立ったり座ったりを繰り返したり、しっぽを上げるなど特徴的な動きをしたりするようになるほか、羊膜や子牛の足が体外に出る際には、緊急の対応が必要になる場合も少なくない。

同システムは、そうした際の生産者の定期的な見回りなどといった負担を軽減することを目的に開発されたもので、牛舎内に設置した複数のカメラで母牛を常時モニタリング。生産農場内に設置する機器にて取得した画像をAIで処理して、特徴的な動きの解析を行い、必要に応じて生産者やオーナーにインターネットを介して、専用アプリ経由でメッセージと音声で状況の通知を行うことで、分娩にかかる負担を軽減するとしている。

  • モニタリングから通知までのフローイメージ

    モニタリングから通知までのフローイメージ (出所:ニコン)

また、牛の情報や行動履歴を一元管理し、リアルタイムで共有することも可能であり、生産者の業務効率化にもつながることが期待されるともしている。

なお、同システムは同社は熊本県内の肉牛生産者の協力を得て実証実験を開始しており、2024年から順次全国に展開される予定。同社では今後も生産者の声を聞きながら、システムの改良を進めていき、乳牛や他の家畜にも応用できるよう開発を行い、畜産業界のDX化で地域課題解決に貢献していきたいとしている。