JOLEDがTOPPANに能美事業所を売却
TOPPANは12月5日、11月28日付で、有機ELディスプレイの開発・製造を行っているJOLEDと、石川県能美市にあるJOLED能美事業所の土地・建屋に関する売買契約を締結したことを発表した。
TOPPANはJOLEDから購入した能美事業所にて、主にデータセンター向けサーバーや生成AIで使用される高密度半導体パッケージ「FC-BGA」のさらなる高速伝送やチップレットに対応する次世代技術開発および量産ラインの構築を行う予定であるとしており、改修の後、2027年以降の稼働を予定しているほか、既存のエレクトロニクス製品の生産も検討していくとしている。
注目を集める次世代半導体パッケージ
TOPPANは現在、新潟工場でFC-BGAの生産拡大を進めているが、将来的には新潟工場のみでは拡張余地がなく、新たな生産拠点の確保を検討してきたとしたうえで、JOLED能美事業所が、そうした次世代半導体パッケージの製造工程に求められる条件を満たしていたとし、白羽の矢を立てたとする。
また、急速に進む社会のデジタル化に伴いデータのトラフィック量も増加し続けているが、今後の高速大容量伝送ニーズに向けて、チップと樹脂基板の間にインターポーザーと呼ばれる微細配線基板を有する半導体パッケージ「2.xDパッケージ」を中心とした次世代半導体パッケージの需要の増加が見込まれることも今回の事業所取得に至った背景にあるともしている。
なお同社は今後、2027年に向けて次世代半導体パッケージの技術開発および量産ライン構築のための整備を進めるとしているほか、新工場ではデジタルツインやFAおよびAI技術の活用を進めることで、省人化かつ生産効率の高い量産ラインの実現を目指していくとしている。