2023年11月15日から17日までパシフィコ横浜にて開催している事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展「EdgeTech+ 2023」で、リコーは「仕事のAI」をテーマに、業務効率化につながる「類似検索サービス」などを展示している。

  • EdgeTech+2023のリコーブースの外観

    EdgeTech+2023のリコーブースの外観

同社が提供するAIのトータルソリューション「仕事のAI」は、企業に蓄積された膨大な情報資産を自然言語処理AI技術によって体系化し、業務効率化を可能にするもの。各企業に蓄積された有効な知識やデータを現場レベルで利活用できるように最適化し、ドキュメントのDX化を実現することを目標としている。

中でも注目を集めていた「類似検索サービス」は、企業内に溜まっていく資料ドキュメントを読み込ませておくだけで類似データの検索ができるようになり、該当ドキュメントを簡単に取り出すことができる仕組み。例えばリコーの場合、「SDGsについて役立つソリューションはありますか?」と入力すると、社内のSDGsに関する製品や取り組みのチラシと、根拠となる関連の文書を同時に表示してくれるほか、要約ボタンを押すことでチラシを要約してくれる機能もあり、業務効率化を目指すこともできる。

  • 類似検索サービスのデモンストレーションの様子

    類似検索サービスのデモンストレーションの様子

チラシの検索だけではなく、顧客とのやりとりの履歴や営業ノウハウなども読み込ませておくと、営業に成功した類似案件の提案書や参考情報など手間をかけずに見ることも可能。チーム間で共有されなかったり、引継ぎがうまくできず業務効率が落ちてしまったりする状態を軽減させることもできる。

この仕組みは、生成AIの自然言語処理技術の1つ「Embedding」を組み込んで実現したもので、ドキュメント文章や検索文の関連性をベクトルに変換・測定しやすくすることで、欲しいドキュメント情報を高精度に提供することができるという。また、より具体的なワードを質問に入れることで精度が上がるともしていた。

導入する際は、各社のマニュアルや過去の案件情報などを一括で読み込ませるだけで活用できるとしており、誰でも簡単に活用できるだろうと担当者は語っていた。

同社はほかにも、「クラスタリングAI FAQ分析サービス」という膨大なデータをAIが分析し、グルーピングしてくれるサービスも展示している。

クラスタリングとは、データ間の類似度にもとづいてデータをグループ分けする手法。同ソリューションを活用することで、例えば、どのような問い合わせが多いのか傾向などを把握したり、FAQで用意されている内容と実際のVOC(Voice of Customer)の状況とを比較したりすることができるという。

単語ではなく文章の意味の近しさで判断されグループ分けが行われるため、より精度の高いクラスタを生成することができ、業務効率化や属人性解消に役立つだろうと担当者は語っていた。