Space BDは11月10日、クラーク記念国際高等学校(クラーク国際)、東京大学(東大)、Space BDの3者が進めている高校生を対象として未来のリーダー人材育成を目指した「宇宙教育プロジェクト」で開発された人工衛星「Clark sat-1(愛称:Ambitious)」を搭載したSpaceXのFalcon 9ロケット(NASA 29th Commercial Resupply Service mission:SpX-29)が2023年11月10日10時28分(日本時間)に打ち上げに成功したことを発表した。
この打ち上げの様子はクラーク国際の全国に散らばるキャンパスにも中継され、クラーク国際生10,000人以上がその瞬間に立ち会ったという。
打ち上げられたClark sat-1は1Uサイズ(10cm角)で重さ約0.94kgの超小型人工衛星。東大大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻の中須賀真一教授が指導を、Space BDが支援を行う形で2021年10月から開発が始まり、各種申請手続きやJAXAによる各種審査などを経て、2023年3月に完成した。また並行して衛星の運用を行うことを目的としてクラーク国際の校舎に管制局の設置工事も行ったという。
この約1年半の間、クラーク国際の生徒たちは中須賀教授からの最新の宇宙開発に関する教育やSpace BD開発の宇宙をテーマとしたワークショップへの参加、宇宙ビジネスを展開する企業への訪問含め、衛星開発のプロセスに沿って、宇宙開発の基礎知識からチームワーク、自ら問いを立てて課題を解決する力を身に着けてきたとのことで、今後、衛星は国際宇宙ステーション(ISS)に運び込まれ、日本実験棟「きぼう」から予定軌道に投入され、生徒たちによって考案されたミッションを実際に行っていくことになる。
なお、生徒同士の協議により衛星のミッションはミニマムサクセス、フルサクセス、エクストラサクセス、そして実現可能性は極めて低いものの、生徒の意志によりチャレンジするエクストリームサクセスの4段階が設定されているという。
また、実際の運用にあたっては、クラーク国際の校舎に設置した管制局でアマチュア無線従事者免許を取得した生徒たちが自ら、Space BDおよびクラーク国際の教員らのサポートのもと、これらミッションの達成とアマチュア無線技術向上を目指し、広く発信しながら取り組んでいく予定だとしている。