ミスミグループ本社は11月6日、同社が提供する機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」において、調達にかかるリードタイムが長期化する傾向にある溶接加工品を対象とした板金溶接加工サービスを同日より新たに開始することを発表した。
金属の接合部分を加熱、または高圧をかけることにより金属を溶融し接合する溶接加工は、接着剤やねじによる接合に比べて強度や気密性が高く、また装置や治具の部品点数を減らすことでコストダウンが可能となるなどのメリットから、部品点数の多い装置設計製造の業態で特に多く用いられている。
一方で、溶接部品の設計や図面での指示には高い技術と専門知識が必要とされるため、外部業者に依頼するケースが多いとのこと。それに伴って必然的に加工条件の確認作業が増加し、見積もり工程が長期化する傾向があるという。
また、溶接加工は現代においても人手による加工が主流であるため溶接技能者の確保が必須であり、対応可能な業者が限られるだけでなく、繁忙期には納期が不安定になるなどの課題から、調達に多くの時間を要していたとする。
こうした課題からリードタイムが長期化する傾向にある溶接加工品の調達について、ミスミでは独自に技術開発を行い、板金溶接加工サービスを実現。3D CADデータをアップロードするとAIにより溶接箇所が自動で判定されるといい、溶接の種類や仕上げの設定のみで簡単かつ即時に見積もりが可能とのことだ。また納期も最短6日目出荷となり、設計から納品までのリードタイムを従来比で最大70%削減できるとしている。
新サービスの開始に際しミスミは、今後もサービスの拡大を通じてIA(インダストリアル・オートメーション)産業の顧客に時間価値を提供することで、生産性の向上に貢献していくとした。