村田製作所とインターネットイニシアティブ(IIJ)は10月30日、データ・ビジネスに必要なサポートをワンストップで提供するというグローバルIoTデータ・サービス・プラットフォームである「Crossborder Co-DataBiz Platform」を開発し、商用提供を開始すると発表した。なお、価格は個別見積。

新プラットフォームは、データ・ビジネスに必要な機能や体制のワンストップでの提供、現地法規制への対応、事業化および事業運用の支援を行う。

利用が期待できる分野として両社は、公共交通における道路・設備の保守・保全、自動車を始めとした移動体データのトレーサビリティ管理、港湾・工業地帯などにおける現地勤務者のセンシングと労働環境改善、スマート農業における土壌・水・生産管理を挙げる。

同プラットフォームは、トライポッドワークスがタイで提供を計画している安全運行管理のためのクラウド型アルコール・チェック・サービスである「TRac Cloud」への採用を予定している。

  • 「Crossborder Co-DataBiz Platform」の導入事例

トライポッドワークスのTRac Cloudは、アルコール・チェッカーの測定結果を、スマートフォンのアプリを介してクラウドに集約し、一元管理できるというソリューション。スマートフォンにBluetooth接続したストロー状のデバイスに息を吹きかけることで、血中アルコール濃度を測定し、自動的にクラウドに送信する。加えて、スマートフォンのカメラで測定中の写真を送ることで、測定者のなりすましも防止可能という。

同サービスでは個人情報を扱うことになるため、現地でのPDPA法(タイの個人情報保護法)に準拠したデータや文書、契約の取り交わしが必要であり、IIJと村田製作所のノウハウを生かしてスマートフォン用アプリのデータを中継配信する仕組みを導入し、サービスを提供していくとのことだ。

また、日本工営とアーバンエックステクノロジーズがインドネシアで計画中の、車載スマートフォンなどのカメラで撮影した画像を使って路面の損傷箇所を自動検出するシステムである「RoadManager」の実証実験も予定している。

IIJと村田製作所は今後、それぞれが持つ技術や知見・ノウハウを生かしたIoTプラットフォームの展開を通じて、東南アジアにおけるデータ・ビジネスの活性化、実用化、さらにはグローバルなデータ・サプライチェーン実現を推進していく予定だ。