コスモエネルギーホールディングスと東洋エンジニアリングは10月23日、触媒を利用したCO2からのメタノール直接合成に向けた共同検討に関する基本合意書を締結したことを発表した。

2050年に温室効果ガス排出量ネットゼロの達成を目指す東洋エンジニアリングは、水素と製油所や工場から分離・回収したCO2からメタノールを直接合成できる「g-Methanol」ライセンス技術を保有している。同技術では、CO2を直接原料として使用できることから、複数のプロセスを経由することなく効率的にメタノールを製造することが期待されており、その社会実装を推進することで、同社のミッションである「エンジニアリングで地球と社会のサステナビリティに貢献する」の実現を進めているとする。

g-Methanol技術でCO2から変換されたメタノールは、重要な基礎化学原料として化学製品や燃料(船舶用燃料、e-fuel)などに展開が可能であるため、脱炭素化に向けたCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)として注目されているという。

「2050年カーボンネットゼロ」を宣言しているコスモは、中期経営計画の中で2030年までの方向性の1つとして「石油事業の競争力強化・低炭素化」を掲げており、今回の共同検討はその具体的施策の1つだとする。

なお共同検討を通じては、コスモの製油所などから発生するCO2由来のサステナブル製品の生産を目指し、CO2削減効果や投資採算性などを両社双方にて検討していくとしている。

  • 共同検討のイメージ図

    共同検討のイメージ図(出所:コスモ)