電通グループは10月18日、日本におけるマーケティングコミュニケーションに伴い排出される温室効果ガス(GHG)の削減を目的に、関連サプライチェーン内のGHG排出量可視化の推進とGHG削減に向け、マーケティング領域の脱炭素化イニシアティブ「Decarbonization Initiative for Marketing」を創設したことを発表した。その第一弾として、英国AdGreenと今後のグローバルでの標準ツールの開発に向けた連携に関する覚書を締結した。

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英国では、広告業界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする取り組み「アド・ネットゼロ」が2020年11月より開始している。欧米の放送業界や広告業界では、既にGHG排出量を算出するカリキュレーターの運用が定着し「カンヌライオンズ」では2023年から応募企業に対し任意のCO2排出量測定が求められるようになった。一方で、日本では、欧米と広告制作やマーケティングプロセスの在り方や排出係数、習慣、言語が異なるため、独自のカスタマイズが求められているという。

電通グループでは、dentsu EMEAを中心に、それらを統合的に組み合わせマーケティングコミュニケーションにおけるプロセスベースでのGHG排出量の可視化に取り組んでいる。dentsu Japanでは、メタバースプロダクションとともに、既にGHG排出量可視化ツールの一部を提供開始している。また、顧客企業のGHG削減に向けた取り組みも支援し、グリーンウォッシュ等のリスクに対するコンサルティングも提供していくという。

今回、こうした取り組みを国内全体で加速させるために、マーケティング領域の脱炭素化イニシアティブ「Decarbonization Initiative for Marketing」を開始。AdGreenと連携することで、日本国内のマーケティングコミュニケーションのさまざまなサービスラインにおいて、中長期的には、より精緻かつグローバルで評価される日本の業界標準GHG排出量可視化ツールの開発を推進するという。さらに、定期的に検討会を実施し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた業界全体のあるべき姿を議論することを目指すとしている。