沖電気工業(OKI)は9月29日、スマートフォンなどのエッジ・デバイスを使用して遠隔地からリアルに現場の作業を指導・支援できるという「遠隔作業支援システム」を開発し、2023年10月に無償のクラウド・サービスである「βサービス」を提供開始すると発表した。2025年度の商品化を目指す。
製造現場では、新製品の製造ライン立ち上げ時などに技術者が遠隔地の工場に出張して試作品や製造・試験方法の具体的な相談をすることがある。また保守現場では、緊急対応のため現場にいる不具合機器の修理経験が少ない作業者に対して適切な指示を行う必要が生じるなどのケースがあるとのこと。
新システムは、こうしたケースにおける相談や指示を技術者が現地に赴かず遠隔から支援できるように開発したといい、映像を用いて具体的な改善案の相談や作業指導・指示が可能になった。
同システムは、スマートフォンなどのエッジ・デバイスを使用して遠隔地からリアルタイムに現場作業を支援するもの。通常の映像音声通信に加え、現地を撮影した映像を遠隔地の熟練者に送付し、熟練者側でスケッチやジェスチャなどの作業指示内容を重畳して、作業者側に指示を映像として送付できるという。
標準技術であるWebRTCを用いているため、一般的なWebブラウザを搭載する多くのデバイスで利用できる。
同システムにより、専門性の高い技術者の出張・出動の回数と時間を削減できる他、マニュアルだけでは伝わりにくい技術・技能の伝達がスムーズに進み、製品や作業の品質向上や機器停止時間の短縮が見込まれるとしている。