幕張メッセにて9月13日から9月15日まで開催されている「第20回 SMART ENERGY WEEK【秋】」内の「BATTERY JAPAN【秋】~第15回【国際】二次電池展」で、OKIエンジニアリング(OEG)は、9月26日から新たに提供を開始するリチウムイオン電池(LIB)搭載ウェアラブル機器の延焼性評価サービスについて紹介している。

イヤホンやスマートウォッチなど、LIBを搭載したウェアラブル機器の市場が拡大しているが、それに伴い、LIB内外部での短絡や過充電など、LIBを起因とした延焼事故の発生数も増加傾向にあるという。また、機器の長時間使用に対応するためLIBの容量も大きくなり、焼損発生時の被害も大きくなることが想定される。加えて、ウェアラブル機器の特性上、焼損事故が身体に与えうる影響が深刻であることから、LIB搭載機器を取り扱う企業では、そうした事故を未然に防ぐために延焼性を確認したいというニーズが広がっているとする。

  • LIBの過充電試験やLIB搭載機器の焼損事故原因調査で使用した対象機器

    LIBの過充電試験やLIB搭載機器の焼損事故原因調査で使用した対象機器

OEGでは2020年度からLIBの焼損解析サービスを提供しており、2022年には電池倍部の欠陥や不具合などを検出し評価する良品解析サービスの提供を開始した。そして今般同社は、先述したニーズの変容を受け、LIBを搭載した機器の状態での焼損事故評価を行う新サービスを、9月26日より開始するに至ったという。

新評価サービスでは、電池の電圧値、電流値、電池および機器の温度測定や、評価時の撮影が可能。これらの評価から、LIBおよび搭載機器の外部負荷における耐久性や延焼性の状態を確認する。外部負荷としては、釘差しや圧壊といった応力、過充電、外部からの加熱を加えることができ、さまざまな環境を想定した評価を実践できる点が強みだといい、劣化したLIBから発生する電池内部のガス成分の分析も可能だとする。

OEGによると、新サービスの開始にあたりオーダーメイドの専用評価槽を氷川台本社に導入したとのこと。この評価槽は、400mm×400mm×200mm以下の試料サイズに対応している。また従来は対応電池容量が2000mAh以下だったのに対し、新サービスでは合計6000mAh以下まで対応範囲を拡大している点も特徴だ。

  • (左)新サービスの開始に伴いOEGが導入した専用評価槽(右)評価槽の拡大図

    (左)新サービスの開始に伴いOEGが導入した専用評価槽(右)評価槽の拡大図(提供:OEG)

LIB搭載機器の延焼性評価サービスの提供については、価格は個別での見積もりとなるといい、電池の良品解析を含めたサービスの売り上げ目標として、年間5000万円を掲げる。

同社は今回のサービスの追加により、LIBやLIB搭載機器の安全性評価において、焼損・良品解析、延焼性評価、ガス分析と、ワンストップでのサービス提供が可能になるとしている。