凸版印刷は9月11日、約20年間にわたって市場提供を続けてきた「外装用エコシート」の材料および配合などを改良し、耐候性能を向上させた「フォルテフィール RZ」を開発したことを発表した。
住宅や非住宅に使用される外装建材は、環境負荷軽減の観点からも、より長時間使用できる体制が求められている。さらに外装建材には、建築基準法で定められた“加熱開始後20分以上延焼しない”という不燃性能が必要となるが、材料の性質上、高耐候性能と不燃性能を両立させることは困難だったという。
また、高耐候性能については年数保証を求められていることがあったとのこと。しかし、促進耐候性試験機での検証と実際の暴露年数との関連性には明確な根拠がないため、日本国内のシートメーカーが具体的な年数保証を打ち出すことはなかったという。
そこで今回凸版印刷は、約20年かけて培われた外装用シートに対する知見を活用し、独自の高耐久性能を持ち、アルミ型材へのラミネートにより不燃認定を受けられる新材料を開発。一般的な環境試験やオリジナルの促進耐候性試験、実暴露試験との関連性を検証した結果から、退色および劣化に関する10年間保証を可能にしたとする。
新製品のフォルテフィール RZは、シートを構成する接着層とインキ層に対して、新たに特殊な材料と添加剤をブレンドして開発した新規耐加水分解性樹脂を搭載。これにより、従来にない耐候性・耐久性の大幅な性能向上を実現したという。
これらの性能について凸版印刷はサンシャインウェザーメーター(SWOM)試験を実施し、1万5000時間で著しい変化が無いことを確認しているとのことで、同社従来品比でSWOMにおいて約1.5倍以上の耐候性向上(凸版印刷選定の色・エンボス形状の場合)が確認されたとしている。
またこうした高耐候性に加え、前出の性能年数保証(退色・劣化)やアルミ型材との組み合わせによる不燃認定の取得、さらに折り曲げ加工耐性の向上による活用可能シーンの拡大など、新製品については多くの特徴が挙げられている。
凸版印刷は、フォルテフィール RZを国内外含めた住宅・非住宅分野におけるさまざまな企業に展開することにより、長期の使用や環境負荷軽減に貢献し、2025年度に関連受注を含めて40億円の売り上げを目指すとしている。