東京商工リサーチは8月31日、5,896社を対象に実施した第3回「インボイス制度に関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査は、2023年8月1日~9日にインターネットによるアンケートを行い、有効回答5,896社を集計・分析したもの。
「2023年10月に導入される『インボイス制度(適格請求書等保存方式)』についてご存じですか?」と聞いた質問では、インボイス制度を「知らない」と回答した企業は0.6%に大幅に低下した。第2回の調査の時の1.7%からさらに減少する結果となった。
一方で「よく知っている」の31.9%、「大体知っている」の56.2%、「少し知っている」の11.1%を合わせた「知っている」は99.3%となった。規模別では、「知らない」は大企業が0.8%、中小企業が0.6%となっており規模別で大きな差異はなかった。
また、法人のインボイス制度の登録状況を尋ねると、すでに「申請した」は92.6%に達し、「2023年9月末までにする予定」は4.1%(228社)、「2023年10月以降にする予定」は1.2%(72社)で、これらを含め登録意向を示す企業は98.0%(5,435社)に上る。「申請をしておらず、方針を決めていない」が0.9%(51社)、「しておらず、する予定はない」は1.0%(59社)にとどまった。
免税事業者を除き、インボイス制度を理解している法人に、インボイス受領の準備に関して聞くと、「完了している」は71.7%となった。一方で、「完了していない」は28.2%で、規模別では、「完了している」は大企業が68.8%、中小企業が72.1%で、中小企業の準備が先行していることが分かっている。
加えて、インボイス制度の開始後の取引方針について尋ねると、インボイス制度に登録しない免税事業者との取引について、「これまで通り」は55.4%となった。反対に「免税事業者とは取引しない」は8.3%、「取引価格を引き下げる」は3.4%で、取引打ち切りや取引価格の引き下げを求める企業が合計11.7%と1割強を占める結果となっている。