NTTコミュニケーションズ（NTT Com）は6月28日、アクセス回線（通信事業者と加入者間を結ぶ回線）をワイヤレス化することで、固定電話回線における場所の制約や工事の手間などの解消を狙う「Arcstar IP Voiceワイヤレス」の提供を6月30日から開始することを発表した。また、モバイル端末で固定電話番号による発着信を可能としてオフィスの電話環境のフルモバイル化を支援する「モバイルオフィス番号セット」も同日から開始する。
「Arcstar IP Voiceワイヤレス」は、固定電話回線を敷設することなく固定電話機で0ABJ番号（東京03など固定電話に割り当てられる電話番号）が利用可能となる音声サービス。事務所間の通話が無料となるほか、NTTドコモの法人モバイル向け音声通話が月額定額となるプランなども提供する予定だ。
同サービスではアクセス回線がワイヤレス化されるため、固定電話回線の敷設が難しい場所での利用にも対応し、電話回線の敷設に伴う工事の手配や費用の削減が見込める。すでに利用中の端末（アナログ回線を利用した固定電話機やFAX）もそのまま利用可能だ。事務所や工場や郊外型のモールなど、レイアウトやテナント位置の変更が多い場所であっても、毎回固定電話回線の手配をすることなく固定電話を利用できるようになる。
基本料金は1番号・1チャネル当たり2000円で、1番号の追加は100円、1チャネルの追加は1200円が必要（いずれも税抜き）。迷惑電話お断り機能や非通知着信拒否機能などもオプションとして提供する。
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「Arcstar IP Voiceワイヤレス」の概要図
「モバイルオフィス番号セット」は、モバイル端末で090などのモバイル向け電話番号と0ABJ番号での発着信が可能となるサービス。ドコモのモバイルを利用した場合には、他の通信事業者と比べて利用料金が割安になるという。同じ端末でモバイル向け電話番号と0ABJ番号を発着信できるため、1台でオフィスと個人の電話環境が構築できる。
ハイブリッドワークやフリーアドレス、新規事務所の開設などを検討する企業に対し、特定の場所に限らない電話対応や、初期投資を抑えた音声通信環境の整備を支援する。
「Arcstar IP Voice（ワンナンバー）0ABJプラン」は契約ごとに500円が必要で、「ビジネスモバイルArcstar IP Voice番号通知機能 クラウド番号プラン」は携帯電話番号ごとに300円が必要だ。国内への発信は10円で、着信は16円（いずれも税抜き）。
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「モバイルオフィス番号セット」
