宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、同機構が開発中の「火星衛星探査機(MMX)」に搭載される小型ローバーについて、共同開発を進めるドイツ宇宙航空センター(DLR)・フランス国立宇宙研究センター(CNES)との間で、6月20日に3者間協力覚書(MOC)を締結したことを発表した。
また、フランス・パリにて開催されたパリ航空ショーで行われた署名式の場で、小型ローバーの愛称が「IDEFIX(イデフィックス)」に決定したことも併せて発表された。
MMXは、世界初となる火星衛星フォボスのサンプルリターンミッションで、2024年の打ち上げを目指してJAXAが開発を進めている。同計画では、フォボス上空で探査機から小型ローバーを放出し、フォボス着陸後に表面の観測などを行う予定で、これにより安全かつ確実な探査機の着陸に貢献するとしている。
6月20日にパリ航空ショーにおいて行われた署名式には、JAXAの山川宏理事長、DLRのアンケ・カイザー=ピッツアーラ長官、同 ヴァルター・ペルツァー理事、CNESのフィリペ・バティスト総裁が出席。また式の場では、IDEFIXという小型ローバーの愛称もDLR・CNESから発表された。
JAXAは、成功に終わった「はやぶさ2」ミッションにおいても小型着陸機「MASCOT」の搭載においてDLRおよびCNESと協力していたことから、MMXにおいても両者との協力の上でミッションの成功に向けて取り組んでいくとしている。