富士通は6月15日、自律分散型社会を支えるWeb3の実現に資するブロックチェーン連携技術の提供を開始することを発表した。今回は、「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」のデータトラスト基盤「Data e-TRUST」について、複数のブロックチェーンシステムを連携できる「ConnectionChain(コネクションチェーン)」技術を試験的に統合することで、複数の経済圏を柔軟かつ安心安全に連携できる試作環境を提供する。なお、同社のグローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画するパートナーが対象となる。

  • 「Data e-TRUST」への台帳連携機能の追加

    「Data e-TRUST」への台帳連携機能の追加

富士通は「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」において、コンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが利用できることを目的とするサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、CaaS)上でデータトラスト基盤「Data e-TRUST」を提供している。

今回「Data e-TRUST」に追加する「ConnectionChain」は、外部の複数のブロックチェーンが整合性を持ったシステムとして動作することを支援する「拡張スマートコントラクト」を自律動作させる機能を持つ。

異なる種類のブロックチェーンを連携する際には、ブロックチェーンの種類ごとに連携部の開発が必要となるが、「Hyperledger Cacti」で開発した分散型台帳基盤へ連携するためのプラグイン(Cacti-LP)を取り込むことで開発を効率化したとのことだ。これにより、「Hyperledger Cacti」がサポートするさまざまなブロックチェーンへの連携が「Data e-TRUST」から可能となり、新たなWeb3サービスの構築が容易になると期待されるとしている。

また、「Hyperledger Cacti」をサポートする他社ブロックチェーンから富士通の「Data e-TRUST」へ連携するための「Cacti-LP」も開発しており、そのソースコードを「Hyperledger Cacti」の開発コミュニティに寄贈している。これにより、同社は「Hyperledger Cacti」を介した外部パートナー企業とのWeb3サービス提供を加速するとのことだ。