2023年7月4日から6日まで、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、宇宙ビジネスの創出や宇宙産業の発展によって将来的な価値創造を目指す、アジア太平洋地域(APAC)最大級の日本発宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2023」が開催される。

  • 7月4日から6日まで虎ノ門ヒルズフォーラムにて、APAC最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2023」が開催される。

    7月4日から6日まで虎ノ門ヒルズフォーラムにて、APAC最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2023」が開催される。(出所:SPACETIDE)

2015年に初めて開催された同イベント。今回は、20カ国超から1000名以上が参加するなど過去最大規模となる見込みだ。“宇宙ビジネス”というテーマの下で、国や業界を越えたコミュニティ形成を目指す同イベントの開催にあたり、SPACETIDE代表理事兼CEOの石田真康氏が概要や展望を語った。

国や業界を越えた宇宙産業コミュニティの拡大を目指すSPACETIDE

石田氏が代表を務めるSPACETIDEは、「宇宙産業全体の発展を通じて、我々の社会・生活・文化・未来に新たな価値をもたらす」ことを目標に掲げ、年2回の宇宙産業カンファレンスや宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携によるワークショップなどを開催し、国境を超越し、他業界を巻き込みながら、宇宙産業コミュニティの形成に向けて活動を進めている。

また、業界の情報基盤となる調査・分析レポート『COMPASS』の発行や、宇宙スタートアップの発掘や支援を行うアクセラレーションプログラム「AXELA」の実施など、宇宙ビジネスの規模拡大にさまざまな角度で取り組んでいる最中だ。

2015年に活動を開始したSPACETIDEは、宇宙以外の業種を主とする大企業や政府・公的機関、中小企業やスタートアップ、そして投資家などといったさまざまレイヤーを巻き込みながら、日本の宇宙産業におけるエコシステムの形成に貢献してきたという。そして、その数多くのステークホルダーが一堂に会するメインイベントが、今般開催されるSPACETIDE 2023だ。

グローバル化へイベント規模も着々と拡大中

SPACETIDEが年に1度開催する大型メインカンファレンスでは、毎回コンセプトが発表される。SPACETIDE 2023のコンセプトは「宇宙ビジネス、新たな経済圏のひろがり」。過去6度のコンセプトを振り返った石田氏が「だんだんと本当のビジネスの雰囲気を帯びてきている」と話すように、徐々に宇宙ビジネスの規模拡大やステークホルダーの増加を感じさせる変遷を遂げている。

  • 過去のSPACETIDEメインカンファレンスで掲げられたメインコンセプト。

    過去のSPACETIDEメインカンファレンスで掲げられたメインコンセプト。(提供:SPACETIDE)

また、イベント規模を説明する中で石田氏が強調したのが、協賛企業の数。今回のSPACETIDE 2023では、国内外から24社が協賛として参加しており、その中には以前からゴールドスポンサーとして参加するアマゾンウェブサービス(AWS)に加え、シルバースポンサーにはRocket LabやVoyager Spaceなど、宇宙業界で存在感を放つ海外企業も名を連ねる。

  • SPACETIDE 2023の協賛企業・パートナー(5月29日時点)。

    SPACETIDE 2023の協賛企業・パートナー(5月29日時点)。(提供:SPACETIDE)

SPACETIDEはここ数年、APACでの活動を加速させており、同地域での宇宙ビジネスの基盤づくりを進めているとする。その先にはグローバル化も見据えているとのことで、今回の協賛企業のうち3分の1ほどを海外企業が占めているのも、同団体らしい特徴だとしている。

また石田氏は、SPACETIDE 2023のもう1つの特徴として「宇宙業界以外からの参加者の多さ」を挙げる。今回も宇宙関連ではない企業が多く参加する予定で、「海外の方は非宇宙産業からの参加者割合の大きさに驚く」という。このように宇宙に直接携わっていない企業も巻き込みながら、宇宙産業コミュニティの拡大に寄与していきたいとのことだ。

  • SPACETIDEにおける参加企業の産業別割合(左)と、非宇宙産業企業の内訳(右)。

    SPACETIDEにおける参加企業の産業別割合(左)と、非宇宙産業企業の内訳(右)。(提供:SPACETIDE)

SPACETIDE石田代表が語る注目のセッション

SPACETIDE 2023の会期は3日間。1日目は日本の宇宙業界について、2日目はAPAC地域、3日目は世界へと範囲を拡大していく構成となっているという。また、日本政府やJAXAなどの宇宙機関をはじめ、国内外から著名人を招き、最新情報の詰まったセッションを行う予定だとする。石田氏は注目のセッションとして、以下を挙げる。

1日目「今後10年間の日本の国家宇宙戦略」(4日 13:40~)

日本の宇宙開発においては、今後10年間の国による宇宙政策の基本方針である「宇宙基本計画」が改訂されるなど、新たな動きが進んでいる。SPACETIDE 2023最初のセッションでは、これらの最新動向について、JAXAの山川宏理事長、山崎直子宇宙飛行士、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の河西康之氏などが登壇し、パネルディスカッションを繰り広げる。

「シスルナ経済圏形成に向けたispaceのこれまでの10年とこれからの10年」(6日 18:40~)

SPACETIDE 2023初日を締めくくるセッションでは、2023年に月面着陸ミッションに挑戦したispaceの袴田武史CEOが、石田氏との対談を行う。宇宙業界を先導する両者は10年来の付き合いだといい、「2人の友人関係も含めながら、これまでの10年とこれからの10年について語り合いたい」と石田氏は話す。

「通信コンステレーションがユーザーにもたらす革新」(6日 14:40~)

昨今の宇宙利用においては、衛星コンステレーション通信が注目を集めており、さまざまな企業が参入している。Amazonもその1つであり、「Project Kuiper」として開発を進め、2024年末までに衛星通信サービスの提供を開始するとしている。今回のSPACETIDEには、そのProject Kuiperでディレクターを務めるNaveen Kachroo氏が登壇し、SPACETIDEの佐藤将史理事兼COOとの対談の形で展望を語るとのことだ。

宇宙の経済圏が一気に広がる3日間

APAC最大級の宇宙カンファレンスが今年も幕を開ける。今回はハイブリッド形式での開催でオンラインチケットも販売しているというが、石田氏は「主催者としてはぜひ会場にお越しいただきたい」と語る。

国や業界を問わず、宇宙というキーワードの元でさまざまなコミュニティが掲載される3日間。地球を飛び出した新たな経済圏は、どのような広がりを見せていくのか、注目だ。

  • SPACETIDE 2023の開催概要。

    SPACETIDE 2023の開催概要。(提供:SPACETIDE)