ラックは6月7日、GAI(Generative AI:生成AI)の活用に対応するCoE(Center of Excellence)を設立して、社内に散らばる人材やノウハウ、資金などの経営資源を組織横断的に集約し、社内システムを通じて全社員が安全に業務へGAIを活用するための環境を整備したことを報告した。
この組織は未曽有の変化に対応するために、社内の経営幹部や、エンジニア部門、管理部門、営業マーケ部門などから約30人が選ばれ、制度整備、社内ツール開発、効果的なプロンプト(AIへの指示文)の共有、リスク管理などに取り組むという。
同社はすでに、社員が業務のためにGAIを活用できるアプリケーション「Chotto Chat」を開発し、社内のコミュニケーションインフラであるMicrosoft 365 Teamsに組み込み利用を開始している。ここで使用したプロンプトは記録しており、ノウハウを蓄積して改善に向けた活用へとつなげる。
また、同社はMicrosoftが提供しているAzure Open AI Serviceを用いて、社内で独自のAIサービスを開発して利用を開始している。セキュリティを担保した独自のAIサービスによって社内のデータも活用することで、GAIを活用した顧客の課題解決を促進するとしている。この開発および運用のノウハウを顧客にも提供し、さらなる課題解決に貢献する方針だ。
さらに、社員のAI活用スキル向上を図るために、ChatGPTの有料プラン費用をサポートする制度についても整備した。業務にとらわれないさまざまな分野や用途へ活用するためのアイデアの収集や個人的な学習への活用によって、個々の社員の好奇心や創造力向上を狙うようだ。