宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門は、宇宙空間での船内ドローンであるJEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)の後継機である「Int-Ball2」を搭載したドラゴン補給船運用28号機(SpX-28)が、2023年6月6日 0時47分(日本時間)に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられたことを発表した。

  • ISSに向けて打ち上げられたInt-Ball2の外観。

    ISSに向けて打ち上げられたInt-Ball2の外観。(出所:JAXA)

宇宙飛行士は、地上の管制官と協力しながらさまざまな実験やISSのメンテナンス作業を実施している。ISSで活動する宇宙飛行士を支援するInt-Ball2は、地上管制官の操作によりISS内を飛び回り、写真や動画の撮影を行うとのことだ。

現在、ISSの「きぼう」日本実験棟内での写真・動画撮影は、宇宙飛行士が自らカメラを準備して行っているという。しかしInt-Ball2が地上からの遠隔操作を受けて撮影を行うことで、それらの作業に要する宇宙飛行士の作業時間を削減できるとする。

JAXAは2017年にInt-Ball初号機を打ち上げ、ISSにて無重力空間での姿勢・移動制御に関する基本実証を実施。その実証で得られた知見をもとに、Int-Ball2では、最終的にクルーの撮影に関する作業時間をゼロにすることを目標に開発されたという。具体的には、自律的に飛行する機能性能の向上や、充電のため自動でドッキングし再飛行する新機能の追加を測っているとしている。

  • 地上で行われたInt-Ball2の試験の様子。

    地上で行われたInt-Ball2の試験の様子。(出所:JAXA)

同機は今夏以降、きぼう日本実験棟内でこれらの機能確認を実施し、その後は徐々にISSでの撮影タスクに投入される予定とのことだ。