トラスト・テクノロジーは6月5日、AI(人工知能)画像処理技術を活用し、カット野菜に潜むカエルなどの異物を検知するシステムを7月1日より発売すると発表した。カット野菜の製造工場向けにシステムを提供し、従来目視検査で行っていた葉物野菜に紛れ込む、カエルや昆虫などの異物検知をカメラとAI画像処理で高精度に自動化し、見逃しを防止できるという。

  • カット野菜のカエル検知システム システム画面イメージ

    カット野菜のカエル検知システム システム画面イメージ

昨今、カット野菜にカエルが混入していたというニュースが相次いでいる。同社によると、多くの野菜は自然由来のため、どうしても昆虫やカエルなどが紛れ込む可能性があり、それらの異物検知と除去作業はカット野菜を製造する多くの食品工場にとって、非常に負担が高く責任の重い作業だという。

さらに、昆虫やカエルは有機体であり、色も野菜と近しいことから、食品工場で一般的に用いられる金属探知機やX線検査装置をすり抜けてしまい、現状はそれら異物に対する有効な自動検知システムが存在しない状況だという。そのため、多くのカット野菜工場では、人の手で野菜を少しずつ掻き分けながら、目視検査で除去作業を行っている状況とのことだ。

同社は今回、AI画像検査システム「AIインスペクター」に、カット野菜工場向けのカエル検知システムを追加した。2021年から精肉工場向けの毛髪検知、コバエ検知のパッケージも提供している。

まずは、ほうれん草やレタスのカット野菜向けにアマガエルの検査システムを提供する。カメラによるAI画像検査で、人の目では見分ける事が難しい、緑色野菜の中に紛れ込む緑色や茶褐色の小さなカエルの検知につなげる考えだ。

提供価格は、AIインスペクターの本体価格が250万円(税別)、これにカメラや照明などの検査装置一式に、アマガエルの検知AIをパッケージとして、1ライン600万円(税別)からとなっている。なお同システムは、検査を行うだけでなく、警告表示等によるアラーム表示や、オプションでベルトコンベアの停止や自動排出装置と組み合わせた、完全自動化システムも提供できるとのことだ。