電子書籍の流通事業を手掛けるメディアドゥと早川書房は6月1日、NFT(非代替性トークン)の電子書籍がセットで付いた紙書籍の提供を開始すると発表した。電子書籍は紙書籍のすべての内容に加え、紙の書籍にはない特別対談などが収録されている。メディアドゥのサービス上で売買することも可能で、売買が行われるたび権利者へ収益が分配される仕組みだという。

  • メディアドゥ、「NFT電子書籍」付き新書を早川書房新レーベル「ハヤカワ新書」創刊ラインナップ5作品で提供

    メディアドゥ、「NFT電子書籍」付き新書を早川書房新レーベル「ハヤカワ新書」創刊ラインナップ5作品で提供

両社が今回提供する「NFT電子書籍」は電子書籍ファイル(EPUB)を活用しており、スマートフォンのビューアで読めるのに加え、ブロックチェーン技術によってどのユーザーが入手したかをNFTとして証明することが可能。売買だけでなく設定を変更することで譲渡することも可能で、家族や友人と距離を問わずにおすすめの本を貸し借りすることもできる。

創刊ラインナップ5作品のNFT電子書籍付き新書の一部作品では、NFT電子書籍に紙の書籍にはない特別対談が収録されており、NFT電子書籍のほか、作品によっては動画などの限定特典の提供も予定しているとのこと。なお、同社によると、紙の書籍に本編と同じ内容がNFT化された電子書籍として付いてくるのは、世界初の事例とのことだ。

早川書房は、「『NFT電子書籍』によって電子書籍の二次流通市場ができることで、読者には利便性を高めてもらい、著作者をはじめとする関係者にとっては、出版活動を前進できる環境になると考えている」とコメントしている。