近年、リモートワークの浸透や書類のデジタル化が進み、人々の働き方は大きな変化を遂げている。だが、業種柄リアル店舗での勤務が発生する小売業や飲食業などにおいては、紙のタイムカードでの打刻・勤怠管理、表計算ソフトでのシフト管理など、アナログな業務がまだ残っているケースも多い。

フォトジェニックなフルーツ大福で脚光を集める弁才天も、かつては約150名のスタッフのシフト管理をたった1名で行っていた。事業の急成長に伴い、「このままでは無理だ」と思った担当者は、シフト管理業務の改革に着手したという。では、同社は何をどのように変えたのか。弁才天 代表取締役の水鳥功雄氏にお話を伺った。

  • 弁才天 代表取締役の水鳥功雄氏

150名分のシフト管理に月間40時間を消費

2019年に創業した弁才天は、2023年1月現在で直営店19店舗を含め、国内で65店舗を展開している。創業後すぐ急成長を遂げたため、店舗運営、フルーツ大福の製造、配達など1人1人のスタッフが担当する業務が多岐に渡ることになり、業務負担が大きい状態に陥ったと水鳥氏は当時を振り返る。同氏自身も1人で約150名のスタッフのシフト管理を行っていた。半月に一度、各スタッフにシフトの希望を確認する。収集した情報を表計算ソフトに入力しシフトを作成するのだが、期日通りに希望を提出してもらえないことも多く、未提出者に個別で連絡をするなど、毎回約20時間程度をシフトの収集・作成に費やしていたそうだ。

「月に2回のシフト作成に多くの時間を取られ、業務負担が大きい状態でした。シフトの希望を提出してもらうための催促にも時間がかかり、大変だったことを覚えています」(水鳥氏)

そんな折、水鳥氏は、あるフランチャイズ店舗を運営するオーナーにシフト作成の苦労について相談する機会があったのだという。すると、「良いツールがある」と薦められたのが、リクルートが提供するシフト管理サービス「Airシフト」だった。早速問い合わせをし、説明を受けた同氏は「これまで最も負担になっていたシフト回収がアプリを使ってでき、こちら側で何もしなくても良い」という点に魅力を感じ、2020年夏に導入を決定した。

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