ウィズセキュアは5月16日、サイバーセキュリティソリューションを富士通Japanを通じて医療機関向けに提供開始することを発表した。これにより、ウィズセキュアは病院・診療所などの医療機関が利用するシステムにおいてサーバ保護、エンドポイント保護(EPP)を提供していくことになる。

医療業界では、迅速な患者対応や医療機関間における情報共有が推進されており、セキュリティ対策は必要不可欠となっている。

また、サイバー攻撃者にとって恰好の標的となっており、センシティブな個人情報である診療データや既往歴への不正アクセス、電子カルテの改ざんによって引き起こされる誤った投薬/治療行為、ランサムウェアによる電子カルテ閲覧や地域医療情報連携ネットワークの情報共有における障害など、さまざまな危険性に直面しているという。

2020年にはランサムウェアによってドイツ・デュッセルドルフの大学病院のシステムが停止したため、他の病院への救急搬送を余儀なくされた患者が死亡するという事件が発生している。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療機関は複雑化/巧妙化するサイバー攻撃に対して、防衛策を講じる必要があるという。日本では厚生労働省が2018年に「医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化について」を公表し、医療機関に対して一層のセキュリティ意識の向上/対策強化を促している。

富士通Japanを通じたウィズセキュアのサイバーセキュリティソリューションの提供により、医療機関や患者に信頼性の高いセキュリティ対策の提供が可能となる。EPPで悪意のあるソフトウェアの検出や実行阻止による感染拡大防止、改ざん防止機能による真正性、見読性、保存性が求められる医療情報の保護などのサービス展開が実現されるとしている。