コニカミノルタとコニカミノルタジャパンは5月1日、学校教育向けソリューション「tomoLinks」の正式販売を、全国の教育機関や教育事業者に向けて開始したことを発表した。まず「学習支援」サービスの販売を開始し、「先生×AIアシスト」と「授業診断」サービスは5月1日よりプレビューリリースとして先行販売を開始する。

  • tomoLinks サービス概要

    tomoLinks サービス概要

tomoLinksは、児童生徒と学校、家庭の学習活動を繋げて支援する「学習支援」、児童生徒の多様な学習活動を分析して効果的な学習を提案する「先生×AIアシスト」、教室内の画像データから授業内容を分析して授業での学習効果の最大化を支援する「授業診断」の3つのサービスを提供するソリューション。

「学習支援」サービスは、教員、児童生徒、保護者が直観的に操作できるわかりやすいUIで、ICTを使った双方向授業や遠隔授業、連絡帳などの学校と家庭の両方の学習活動を実現できる。「先生×AIアシスト」サービスは、子どもたちの教育データを元に一人ひとりの学力定着度合いをAIが分析し、それぞれの児童生徒に合った学びの学習方法を提案する。「授業診断」サービスは、授業の様子をAI分析し、児童生徒の発言量や挙手、視線などをデータ化。さらに教員や実習生の板書や机間指導などを分析し、児童生徒の学力と教員などの指導力の両方の成長を支援する。

「先生×AIアシスト」の分析AIは、教材に依存せず、学校が所持する既存の学力データや、新たにデジタルで提供される様々な企業の教材の学力データなどを分析することが可能だとする。先行導入している大阪府箕面市の小中学校では、児童生徒約13,000人の10年分の学力テストや環境データを元に、分析AIモデルで教育データの活用を実践した結果、60%以上の児童生徒の学力が向上し、デジタル学習教材に取り組む児童生徒が5.5倍に増えたという。

現在、箕面市以外の複数の自治体への提供準備を開始しており、地域の子どもたちの実情に合わせた教育データ分析AIの提供を進めていくとしている。さらに、「先生×AIアシスト」は教育事業者に対しても提供を開始し、事業者の教材と併せて利用することで、従来の教材のAI化が可能になるという。

また、文部科学省から示された学習ログデータの取扱い方針に対応。システム開発を含む商業的な利用を目的とした個人データの利用を行わず、教育委員会や家庭からの個人データの削除や解約時のデータ破棄などの依頼に対応する、データの所有者である生徒児童や保護者にとって安心安全なデータ運用を実現したとする。この運用は、文部科学省CBTシステム MEXCBTで行われる全国学力調査の教育データに対しても行うため、すべての児童生徒や保護者にデータ利用の同意を得る必要のある学力調査での利用にも適しているということだ。

コニカミノルタは、5月10日〜12日に東京ビッグサイトにて開催される教育総合展「EDIX 2023」に出展し、tomoLinksの全サービスを展示するということだ。