両備システムズは3月14日、自治体内の関係部署、医療機関、子育て関連施設などの情報を連携し、フォローが必要な家庭やこどもを早期発見し、プッシュ型の支援へつなげる仕組みとして、こどもに関する連携プラットフォーム「こどもの杜」を開発し、2024年(令和6年度)から全国の自治体へのサービス提供を開始すると発表した。

  • 「こどもの杜」導入による効果のイメージ

    「こどもの杜」導入による効果のイメージ

こども家庭庁は、常にこどもの最善の利益を第1に考え、こどもに関する取組・政策を社会の真ん中に据えて、こどもを誰1人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しするための新たな司令塔として2023年4月1日に設置される国の行政機関。

各省庁からこども政策に関する司令塔機能がこども家庭庁に一本化されることになり、内閣府や厚生労働省など、さまざまな省庁にまたがっている政策をつなげることで、こどもや子育て当事者の視点に立った政策立案や、さまざまな課題に対する包括的支援を行うことを目的としている。

これらの背景をふまえ、地方自治体では虐待対策など児童福祉を目的として設置されている「こども家庭総合支援拠点」、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する目的として設置されている「子育て世代包括支援センター」の役割を維持したうえで、組織を見直し、すべての妊産婦、子育て世代、こどもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関として、2024年度以降に「こども家庭センター」を各市町村に設置することが検討されている。

同社は地方公共団体をはじめ、医療機関、学校、幼稚園、保育園など、子育てに関わる多くの機関に対し、従来からサービスを提供している。2021年のデジタル庁の発足に伴い、自治体システム標準化に向けた戦略策定のため、2022年にパブリックセクター戦略室を設置し、同時期にパブリックセクター戦略室の配下に、こどもの杜推進グループを新設。

こども家庭庁設立に向けて、同社では教育・保健・福祉など情報を分野横断的に連携するデジタル基盤を整備し、支援の必要なこどもや家庭に向けたプッシュ型の支援ができる取組みを検討していた。

同社は1987年から地域健康支援システムの開発をスタートし、妊娠・出産期から就学期における母子、こどもに関する各種ソリューションを関係機関に提供している。今後は蓄積されているさまざまなデータを効果的に活用することが求められているため、こどもの成長および関係機関をこどもの杜で支援するという。

今後、2023年の実証実験を見込み、2024年から提供開始を目指す。2025年までの目標導入数は30団体、売上高5億円を計画している。