NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、NEC、NTTデータ、日立製作所は4月27日、ドローン運航管理システム(UTM、UAS Traffic Management)の機能構造に関する標準規格が、2023年4月26日に国際標準化機構(ISO)より国際規格「ISO 23629-5 UAS traffic management(UTM) - Part 5:UTM functional structure」として正式に採択・発行されたことを発表した。

操縦者が乗らずに飛行する航空機およびそれを制御する仕組みはUAS(Unmanned Aircraft System)と呼ばれる。UTMは同一の空域を飛行する複数のUASの運航管理手法のことを指す。

UTMは複数のシステムやサービス群が相互に連携して機能するもので、今回発行された国際規格「ISO 23629-5」は、ドローンが安心・安全・効率的に運航できるようにUTMが提供すべき機能と各機能間の関連性を構造的に整理したものとなる。

同規格では大きく分けて、登録管理機能、空域情報管理機能、飛行計画管理機能、位置情報管理機能、報告作成機能、情報提供機能の6つの機能群に構成を整理している。

  • UTM機能構造の概念図

    UTM機能構造の概念図

現在、世界中でドローンの社会実装に向けてUTMの開発が進んでいるが、UTMに関わる用語や機能構造は国ごとにさまざまな定義が存在しており、グローバルで共通理解の下での議論が難しいといった課題があった。

今回、UTMの機能構造を国際標準化したことで、世界各国のドローンに関わるステークホルダーが運航管理に必要な機能を共通的に定義された言葉で議論できるようになった。これにより、ドローンを活用したシステムに求められる具体的なサービス・機能要件や、システム全体のアーキテクチャの検討、ステークホルダー間の機能実装分担、システムの調達などの調整を齟齬(そご)なく実施できるようになるという。