宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月13日、2006年から2011年まで運用された日本初の赤外線天文衛星「あかり(ASTRO-F)」が、日本時間2023年4月11日13時44分ごろ、北大西洋上空(北緯26.2度、西経49.0度付近)において大気圏に再突入したことを発表した。
あかりは、2006年2月22日にM-Vロケット8号機によって内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、高度700km、傾斜角98.2度、1周100分の太陽同期軌道(円軌道)に投入。米国・オランダ・英国で共同開発され1980年代に活躍した赤外線天文衛星「IRAS」の数倍から数十倍高い感度・解像度での赤外線サーベイを行い、星が生まれている現場を正確にとらえた初観測画像など数々の成果を上げ、現在もその観測データが活用されている。
同衛星は、2007年8月に冷却用の液体ヘリウムを使い切った後も、近赤外線観測装置で観測を継続したが、2011年5月24日に発生した電力異常を受けて、同年6月に科学観測を終了。同年11月24日電波発信停止作業が行われ、5年9か月にわたった運用を終えていた。