アリババクラウドは4月11日、中国語と英語の2言語で対応可能な大規模言語モデル「通義千問(Tongyi Qianwen)」を発表した。顧客や開発者にこのモデルへのアクセスを提供し、AI機能を作成できるようにする予定もあるようだ。
同社は今後について、通義千問を企業向けコミュニケーションやインテリジェント音声アシスタント、Eコマース、検索からナビゲーション、エンターテインメントなど、同社グループのさまざまなビジネスと統合し、ユーザー体験の向上を図る予定だとしている。
その先駆けとして、まずはアリババのデジタル・コラボレーション・ワークプレイスおよびアプリケーション開発プラットフォームであるDingTalkと、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)対応スマート家電を提供するTmall Genieに導入する。
通義千問を搭載するDingTalkは、職場のコミュニケーションをより効率的にするために設計する。会議メモの要約や、会話のテキスト化、メール作成、プロンプトを用いたビジネス提案、およびプロモーションキャンペーンの企画立案などが可能だ。さらに、紙に書いたアイデアを写真に撮って、DingTalk上にミニアプリケーションを作成することも可能だという。
また、通義千問を搭載するTmall Genieは、中国国内のユーザーとよりダイナミックで生き生きとした会話が期待できるとのことだ。子ども向けのストーリーを開発して読み聞かせたり、健康的なダイエットレシピや旅行のヒントを提案したりできる。ワークアウトのBGMを推奨することも可能だ。
アリババクラウドは顧客企業にクラウド上の通義千問へのアクセスを提供し、ユーザーがカスタマイズした大規模言語モデルの構築を支援する。これにより、企業は特定のビジネスニーズに合わせてカスタマイズしたAIモデルを構築できるようになる。