2月21日、浜松町の世界貿易センター南館にあるPSC本社内に「Microsoft Base 浜松町」が誕生した。山手線内初、24番目のMicrosoft Base開所を記念したセミナーには、PSC、JTB、丸井グループ、日本マイクロソフトが登壇。各社が日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)への思いを語った。

  • 「Microsoft Base 浜松町」開所式 記念セミナーに参加したみなさん

世界貿易センタービル南館に開所した24番目の「Microsoft Base」

「Microsoft Base」は、日本の企業・組織のDXの実現を目指して、日本マイクロソフトと日本各地のパートナーが運営している物理拠点だ。Microsoft製品を活用するための情報発信基地として、エンジニアが質問に直接答える「Maestro Bar」、各種セミナーやハンズオン、マイクロソフト認定資格トレーニングなどを実施している。またコワーキングスペースとしての機能も備え、リモートワークスペースとして利用することもできる。

2019年12月にその第1号となる「Azure Base 代官山」(現:Microsoft Base 代官山)が誕生以来、全国各地へ展開。2023年1月までに北は北海道、南は沖縄まで、計23施設が開所している。

2月21日、この「Microsoft Base」に24施設目が追加された。それが世界貿易センタービル南館25階、ピーエスシー(以下、PSC)本社内にある「Microsoft Base 浜松町」だ。JR山手線内で初のMicrosoft Baseであり、駅直結でアクセスできるという好立地ゆえに、多数のビジネスパーソン利用が想定されている。

  • PSC本社の一角が「Microsoft Base 浜松町」として利用される

オンライン会議に利用できる「Teams Rooms」や、小規模なセミナー会場として30名まで利用できるセミナースペースを備え、最新のMicrosoft製品の体験が可能。また、Microsoft製品を利用している方のさらなる利活用に向け、ピーエスシーのアドオンアプリケーション「Coo Kai」の案内も受けられる。

日本のDXに貢献してきたPSCの歩み

PSC本社の移転とともに行われた記念すべき開所式には、PSCの取締役社長である鈴木正之氏のほか、JTBの福本伸昭氏、丸井グループの海老原健氏、日本マイクロソフトの本多正樹氏が集い、それぞれ祝辞を述べた。

  • 「Microsoft Base 浜松町」開所式 記念セミナー

PSCの鈴木氏は、自社の歩みを思い出とともにしみじみと語った。PSCは、1996年に鈴木氏を含めた4人で創業された企業だ。社名は、“Power Staff Communications”の頭文字から名付けられた。

  • 社員わずか4人からスタートしたPSCの歩み

1999年には事業拡大に伴い、本社を芝公園に移転。2005年にMicrosoft ExchangeのASPを日本で初めてスタートし、以降データセンター、セキュアセンターを開設しつつ、より業務の幅を広げていった。近年はMicrosoftの技術を中心としたクラウド・セキュリティ・モダンワークをビジネスの柱としており、Microsoft Japan Partner of the Yearにおいて2020年に「Social Responsibility Award」を、2021年に「Education Award」を受賞している。

  • 世界貿易センタービル南館に移転したPSC新本社

自社の歴史と新本社の紹介、そして関係各者への謝辞を述べた後、鈴木氏は改めて本社移転と開所への思いを語った。

「創業当時、(創業者のひとりである)妻と一緒に貿易センタービルを見上げながら、『いつかこのビルに入りたいね』と話していました。念願叶って今回引っ越しましたけれども、私どもの中身は変わりません。本日はご縁があった皆さまに開所式にお越しいただいて本当に幸せです。これからも皆さまと一緒にサービスを作っていきたいと思います」(PSC 鈴木氏)

  • ピーエスシー 取締役社長 鈴木正之 氏

JTB、丸井グループ、マイクロソフトからの祝辞

次に登壇したのは、JTBの福本氏だ。JTBグループは、PSCのDXプラットフォーム「Perfect Finder」を活用している。福本氏は「先ほどパンフレットを開くと、鈴木社長のお写真とともに『もう一歩先へ』と書かれていました。JTBグループの2023年度のスローガンは『もう一歩前へ ~持続的な成長を目指して~』であり、同じようにコロナ禍の先を考えているのだと感じました。これからも一緒に成長していければ良いなと思います」と祝辞を述べた。

  • JTB 常務執行役員 デジタルトランスフォーメーション推進担当 CIO CISO取締役社長 福本伸昭 氏

続いて、丸井グループの海老原氏はMicrosoft Baseの意義について言及。「われわれもOffice 365を導入していますが、使い切れていないという課題があります。このような体験の場を設けていただくことで、より理解が深まって活用範囲も広がり、最終的には生産性の向上につながると思っております」と話し、同社の働き方改革について語った。

  • 丸井グループ 執行役員 CIO エムアンドシーシステム取締役社長 海老原 健 氏

最後に、日本マイクロソフトの本多氏は「とある関西の小学校で、壁に貼られている“2学期の目当て”にこう書かれていました。『Teamsの課題を早くやる』。それを見て飛び上がりました。小学生の間で“Teams = 宿題”になっているのかと。これが本当のDXだなと思いました」と、DXの身近なエピソードを披露した。

「昨日まで当たり前ではなかったことが今日、明日に当たり前になる。これが本当の意味でトランスフォーメーションだと改めて感じています。3年間のパンデミックでさまざまなことが起こりました。情報を発信すること、そして使う方々のことを本当に考えて体験・体感していただく場を作っていくことは、本当に重要だと思っています」(日本マイクロソフト 本多氏)

  • 日本マイクロソフト 執行役員 コーポレート戦略統括本部長 兼 パートナー事業本部長 本多正樹 氏

最後に「Microsoft Base 浜松町」の開所を記念したテープカットが4人の手によって行われ、盛況の中で式は幕を下ろした。日本のDXを本気で推進している、PSCと日本マイクロソフト。両社の取り組みがこれからどのように花開くのか、期待したい。

  • 鈴木氏、福本氏、海老原氏、本多氏によって行われたテープカット

  • がっちりと握手を交わす、鈴木氏と本多氏