宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月14日、H3ロケット初号機の打ち上げ延期を発表した。同ロケットの打ち上げは15日の予定だったが、当日の気象条件が整わない予想になったため、17日への延期を決めた。打ち上げ時間帯については、10時37分55秒~10時44分15秒のままで変更は無い。
今回、懸念されたのは風速だ。ロケットにはそれぞれ打ち上げの制約条件があり、H3ロケットの場合、最大瞬間風速は機体移動時で15m/s、射点起立時で22.4m/s、発射時で20.0m/sとされる。ここで注目したいのは、最も風に弱いのは、機体を移動するタイミングであることだ。
機体移動はもともと、14日16時より行う予定だったが、射点に出してから不具合が見つかるとVAB(大型ロケット整備棟)に戻す可能性もあるため、打ち上げ当日の風速も考慮する必要がある。現時点での予報によれば、今後、種子島宇宙センターでは風速が強まる見込みで、この条件を逸脱する可能性が出てきた。
延期のプレスリリースには「万全を期して」という文言が入っていることからも、初号機ということで、特に慎重に判断した結果であることがうかがえる。ただ、打ち上げをもう2年も待ったのだ。さらにあと2日くらい余裕で待てるので(筆者は2週間くらいまでなら粘る予定)、万全の体制で臨み、成功を期待したいところだ。