2022年12月に、有人地帯で補助者なしで目視外飛行が可能なドローンのレベル4飛行が解禁され、市場は活気づいている。ドローンが自宅の真上に飛んできて、ECサイトで購入した商品を受け取ることができる――そんな世界が実現するかもしれない。

そこで、レベル4飛行が解禁されてドローン市場はどう変わるのか、今後、ドローンを活用したビジネスはどうなるのか、ガートナージャパン リサーチ&アドバイザリ部門 シニア プリンシパル アナリストの青山浩子氏に聞いた。

  • ガートナージャパン リサーチ&アドバイザリ部門 シニア プリンシパル アナリスト 青山浩子氏

「過度な期待」のピーク期にある「次世代ドローン」

まずは、ドローン市場の現状から整理していこう。ご存じの方も多いと思うが、ガートナーはテクノロジーとアプリケーションの成熟度と採用状況、およびテクノロジーとアプリケーションが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを図示したものを「ハイプサイクル」として発表している。

2022年9月には、「日本におけるコネクテッド・インダストリ・テクノロジのハイプサイクル:2022年」が発表された。同ハイプサイクルにおいて、「次世代ドローン」は「過度な期待」のピーク期に位置付けられている。これは、新たなビジネスに湧いている市場の状態を見事に言い当てているといえよう。

  • 「日本におけるコネクテッド・インダストリ・テクノロジのハイプサイクル:2022年」 提供:ガートナージャパン

青山氏は市場の動向を踏まえ、ユースケースを追う前に、規制、ガイドライン、国家資格(ドローンの国家資格については、ドローンレベル4飛行に必要な国家資格「一等無人航空機操縦士」とは?を参照されたい)などを押さえておくべきと指摘する。

それには、内閣、経済産業省、国土交通省の動きに加え、具体的なユースケース検証にあたって農林水産省などの省庁ごとの取り組みを追いかける必要があるという。「規制、国家資格、ガイドラインなど、ドローンに関連した情報は分散しており、企業は追い切れていない」(青山氏)

内閣、経済産業省、国土交通省の動きを追いかけよう

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