Semaforは2月2日(米国時間)、「ChatGPT is about to get even better and Microsoft's Bing could win big」において、MicrosoftがOpenAIの自然言語モデル「GPT-4」によって強化されたChatGPTをBingに搭載する準備をしていると伝えた。これが実現すれば、BingはGoogleをはじめとする他の検索エンジンに対して大幅な優位性を確保することができる。BingへのChatGPTの統合は今後数週間のうちに行われる可能性があるという。

ChatGPTは、OpenAIによって開発された会話型のAIエンジン。ChatGPTにおいて自然言語のテキストで質問を入力すると、それに対してAIが自動で回答を生成して返答してくれる。ChatGPTでは「GPT-3.5」と呼ばれる自然言語モデルの派生モデルが使用されており、自然言語で記述された質問を理解し、極めて人間らしい返答ができる点が大きな特徴となっている。

Microsoftでは、このChatGPTのAI技術を検索エンジンのBingに統合する計画を進めていると報じられている(参考記事:Microsoft、チャットAI「ChatGPT」をBing検索に統合か | TECH+(テックプラス))。これが実現すれば、ユーザーが入力した検索クエリにAIが回答するという、これまでとは異なる新しい形の検索結果を提供できるようになる。

一方、OpenAIでは現在、GPT-3.5の後継となる「GPT-4」の開発に取り組んでいると伝えられている。Semaforによれば、この後継バージョンにおける最も興味深い改善点はその処理速度だという。現在のChatGPTは、クエリによっては応答までに数十秒から数分の時間を必要とする場合がある。GPT-4で強化されたChatGPTでは、この応答にかかる時間が大幅に改善される見込みであり、検索エンジンとしての実用性が見えてきているとのことだ。

その他にも、OpenAIではモバイル版のChatGPTアプリの開発や、画像生成AI「Dall-E 2」を利用したビデオ作成の新機能をテストすることも計画しているという。OpenAIおよびMicrosoftはこれらの計画について公式なコメントを発表していないが、MicrosoftによるOpenAIへの投資の強化を考慮すれば、近い将来に何らかの大きなアップデートが行われることは間違いないだろう。