東京医科歯科大学(医科歯科大)と東京工業大学(東工大)は1月19日、2024年度をめどに進めている大学の統合について、統合後の新たな大学名称を「東京科学大学(仮称)」として、2023年1月中にも大学設置・学校法人審議会に提出することを正式に発表した。

「東京科学大学」の英語表記は「Institute of Science Tokyo」で、略称は「科学大(英語表記は調整中としている)」とする。

両者は、科学大を選定した理由について、両大学のこれまでの伝統と先進性を活かしながら、統合によってこれまでどの大学も為しえなかった新しい大学の在り方を創出することにあることを踏まえ、新大学の目指す姿・方向性を表す名称としたと説明しているほか、両大学のとがった研究のさらなる推進やイノベーションの創出の具現化のためには、伝統ある2校の専門分野、自由な発想や対話から生み出される未知の領域はもとより人文科学・社会科学的視点をも含めた「科学」の発展こそが原動力となるとの考えから、新大学がこれからの「科学」の発展を担い、社会と共に活力ある未来を切り拓いていくという、強い意志を名称に表現したいと考えた結果だとしている。

また、共に「科学」を追究し、新たな価値創造を希求する人のみならず広く「科学」に興味を持つ人をも含めて、多様な人たちをこれまで以上に惹きつける大学でありたいとの考えや、科学を文化として認識してもらう努力を積み重ね、社会からの理解と期待を得ていくためにも、親しみやすく覚えやすい「科学」を選択したともしている。

この名称については、2022年11月25日~12月8日まで2校のWebサイトにて提案受付を行い、そこで送られてきた提案などを参考にしながら、名称決定ワーキンググループで検討を行ったものが、両大学の統合に必要な事項について検討する統合準備委員会でさらに検討され、最終的に両大学の役員会などでの審議を経て決定されたとのことで、両大学からは「提案にご協力いただいた皆様には、深く感謝いたします」というコメントが出されている。

なお、東京科学大学という名称は2023年1月19日時点では、大学設置・学校法人審議会における手続きや、国立大学法人法の改正(国会審議)を経ていないため仮称のものであり、商標登録などの手続きを踏まえ、変更の可能性もあるとしている。

  • 基本合意書締結の際に撮影

    写真は2022年10月14日に取り交わされた2大学の統合に向けた基本合意書締結の際に撮影されたもの。左が東工大の益一哉 学長、右が医科歯科大の田中雄二郎 学長