英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、英国内の半導体産業の成長を促進し、サプライチェーンを回復することを目的に、英国半導体インフラストラクチャイニシアティブ(国家的な機関や研究組織の新たな仕組み)の技術的および経済的実現可能性とその必要要件などを検討する調査プロジェクトである「UK Semiconductor Infrastructure Initiative Feasibility Study」を立ち上げ、2023年2月2日から8月2日まで半年にわたり調査検討を行うことを明らかにした。

調査委託先を2023年1月まで公募している。この調査に基づき、英国は、国家レベルの半導体戦略推進組織や先端半導体研究機関を設立する可能性があるという。米国が設立を進めているNSTC(National Semiconductor Technology Center)に類似した組織の設立を想定していると見られている。

この調査では、企業間連携、先端シリコンデバイスの試作、化合物半導体の製造、先端パッケージング、知的財産などに関する英国におけるインフラの改善について検討する予定だという。

米国政府Digital SecretaryのMichelle Donelan氏は「私たちは半導体に依存している。スマートフォン、家庭用品、自動車から、天気予報やエネルギー部門、そのほか数え切れないほどの経済分野を支えるスーパーコンピュータに至るまで、半導体はあらゆるものに使われている。英国では、半導体設計や研究などの分野で世界をリードしている。私たちは、こうした成功の上に立って、半導体分野を常に最先端にしていきたいと考えている。この研究は、私たちの野望を達成するのに役立ち、新しい国立機関の設立や研究施設の拡充につながる可能性がある」と述べている。