アイ・ティ・アール(ITR)は12月15日、国内のCASB(Cloud Access Security Broker)運用監視サービス市場規模の推移および予測を発表した。

CASB運用監視サービス市場の2021年度の売上金額は12億7000万円、前年度比51.2%増となった。企業システムのクラウドシフトに伴い、クラウドセキュリティ対策ソリューションとしてCASBの導入が拡大している。

  • CASB運用監視サービス市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)出典:ITR

    CASB運用監視サービス市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)出典:ITR

しかし、国内では、慢性的なセキュリティ専任要員の不足やスキル不足から、CASBを使いこなせていない企業が多いのが現状という。このことから、CASBの販売・実装だけでなく、運用監視サービスをメニュー化し同サービスもセットにして提供するベンダーが増加しており、CASB運用監視サービス市場が急拡大しているとのこと。2022年度は同33.1%増になると同社は見込んでおり、2021年度から2026年度にかけてのCAGRは12.8%、2026年度は23億円に達すると予測している。

ITRのコンサルティング・フェローである藤俊満氏は、「CASBは、ゼロトラスト型セキュリティの中心的なサービスであり、導入が加速していくと見られるが、機能が豊富で設定と運用は難しいことから、今後も外部のSOCベンダーに運用監視を委託するケースが増えるだろう」とコメントしている。