Gartnerは11月28日(英国時間)、2023年の半導体市場が前年比3.6%減の5960億ドルとなるとの予測を発表した。同社は2022年7月時点の予測では、2023年を前年比2.5%減の6230億ドルとしていたが、2022年の実績、2023年見通しともに引き下げる結果となっている。

半導体市場は2022年後半に入り、コンシューマ市場の低迷が強まっていることが懸念されている。一方のエンタープライズ市場については、弱含みを見せる分野もあるが、データセンターを中心に比較的回復が早いと見られている。

Gartnerによると、2023年の半導体市場で顕著なのは半導体メモリ市場の低迷で、2022年の横ばいから、2023年は前年比16.2%減と鈍化することが見込まれるという。背景としては、スマートフォン(スマホ)、PC、家電市場の低迷で、2023年第3四半期にかけてDRAMは供給過剰が続くことが予想され、2023年のDRAM市場は同18%減の742億ドルに留まるとしている。

同じく半導体メモリ市場をけん引するNANDについては、2022年第1四半期に発生したキオクシアの製造ラインにおける材料汚染事故による価格上昇があったことから、一時的に市況悪化が隠されたように見えたが、2022年第3四半期より在庫過剰が顕在化、2023年上半期まで続くことが予想されるという。そのためNAND市場は2022年に同4.4%減の688億ドル、2023年も同13.7%減の594億ドルに留まるとしている。

  • 2023年半導体市場予測

    2022年11月時点における2022年の半導体市場見通しと2023年半導体市場予測(単位:10億ドル) (出所:Gartner 2022.11)