タニタは11月24日、「第19回 タニタ健康大賞」の贈賞式を開催。今回は、宇宙飛行士で東京大学先端科学技術研究センター特任教授でもある野口聡一氏が受賞した。

同賞は、タニタが2004年、設立60周年を機に記念事業の一環として創設したもの。野口氏について同社では、「過去3度の宇宙飛行を完遂し、国際宇宙ステーションの滞在時間は日本人最長となる通算335日を更新されるなどの多くの功績を残された。また、宇宙飛行士だけにとどまらず、日本の航空宇宙産業の一翼を担う研究者としても活躍されています。これらの功績は宇宙開発に貢献されたおり、子供たちを含めた多くの日本人に勇気と感動を与えるなど、長年にわたって宇宙飛行士として活動するための体力を維持し、未知の領域へと果敢に挑戦するたゆみない努力は、国民の健康意識を高める契機となり、本賞を贈るのにふさわしいと判断したと受賞決定理由を説明している。

贈賞式に出席した野口氏は、「健康なくして、日々の生活はなしえない。それは宇宙も同じ。タニタの健康増進活動が、地上だけでなく、宇宙にも続いているということで、受賞させていただいた。健康管理は宇宙飛行士によっても重要なテーマ。これからも日本人の健康のために一緒に頑張っていきたい」とコメント。宇宙飛行士として求められる心身ともに健康であるために心がけていることとして、「特に体力づくり、NASAにいたときなどは、健康管理としてトレーナーが付いていてくれたほか、栄養管理の指導も含め、食事と運動、休息のバランスが重要だと思っている」とし、休息について、サイクルを確立して、自分なりの入眠に向けたルーチンを作り、極力、毎日同じ時間に寝るのが宇宙でも地上でも基本だと思うとの考えを示した。

また、3度目の宇宙滞在となった2020年はコロナ禍での打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在となったが、「宇宙飛行は打ち上げ直前の9か月から半年前が、最後の仕上げの時期で、それまではいろいろな人と最後の調整を直接会いながら進めていたのが、通用しなくなった。感染するわけにはいかないため、4人の宇宙飛行士は隔離された状態での生活となり、直接会って対面でやれば効率が良いことはわかりつつも、体力づくりのトレーナーなども、本来であれば直接姿勢のチェックとかをしてもらえるのが良いが、画面越しにやるといった難しい時期だった」と、健康管理という面1つとっても難しかったと振り返るが、その一方で、「将来、人類が火星に暮らすとなったときは、リモートでやるしかないので、そうした意味では、すごく良い経験となり、我々の仕事を見直す良いきっかけになったと思う」と、これからの時代に向けた経験ができたとポジティブな要素もあったとする。

なお、野口氏にはタニタより賞状とトロフィー、副賞として体組成計インナースキャンデュアル「RD-930L」などがタニタより贈呈された。

  • 野口聡一氏

    記念のトロフィーを手にする野口聡一氏