米フロスト&サリバンの日本法人であるフロスト・アンド・サリバン・ジャパンは10月28日、世界のメタバース市場に関する最新調査レポートを発表し、同市場が2030年までに7500億ドル(約109兆7900億円)へ拡大するとの見通しを立てた。
昨今、世界中のさまざまな企業がメタバース市場に参入している。Z世代のメタバースの利用が盛んで、他者との交流、メディアの消費、バーチャルイベントやスポーツへの参加などに活用している。同社は、メタバースは最終的には現実世界の経済の延長となる、現実世界と相互接続された仮想世界になるだろうと予測。そしてメタバースにおいて、企業や組織が現実世界と同様の経済活動に参加する未来を見通している。
米フロスト&サリバンICT部門 リサーチディレクターのキラン・クマール氏は、「大手テック企業はメタバースを、インターネットを上のレベルへと進化させるものであり、巨大な可能性を秘めていると考えている。メタバース事業で成功するためには、現実世界とリンクしたインセンティブとベネフィットの観点から、システム、プラットフォーム、経済を統合する能力が必要だ」と分析している。
そして同社は、メタバース事業で成功するためには、メタバース体験を分散化し、少数のプラットフォームに支配されている現在のアプリケーション・エコシステムよりもオープンかつ相互運用性に優れたエコシステムを構築することが重要だとしている。また、メタバースのエコシステムでは、サービスは不可欠な役割を担うため、従来の機能を超えたサービスを開発し、メタバースにおいて独自の収益モデルをクライアントに提供することも不可欠とのこと。
さらに、デジタル資産やアバターなどのディープフェイクのコピー防止に注力し、メタバース内でのダイナミックかつ多様な状況におけるユーザーのプライバシー対策を自動化するため、機械学習(ML)を使い仮想世界を設計していくべきだとしている。