パーソルキャリアは10月12日、育休中で就労を希望する社員に対し、社内で一時的な就労機会を提供する制度を導入すると発表した。受け入れ部門と、ジョブの遂行に必要な経験やスキルの保有などの条件を満たす社員を、人事でマッチングする。

社員の仕事と育児の両立に対する不安の軽減を目指す。仕事の勘を早期に取り戻し、スムーズな職場復帰を後押しするための制度でもある。対象は、3カ月以上の育児休業を取得しており、かつ一時的な就労を希望する社員、募集業務を遂行できる経験やスキルを保有する社員。休職者ごとに定められた育児休業給付金の「支給単位期間内」ごとに、10日以下かつ80時間以下の就労を与える。

パーソルキャリアでは2021年5月~2022年9月に、育休中で就労を希望する社員に対し、社内で就労機会を提供するトライアル実験を行い、効果検証した。その結果、育休中の社員の満足度や就労ニーズ、導入効果の高さが確認でき、同制度を導入した。トライアル実証に参加した社員からは「復帰への覚悟、心の準備をするための良い機会になった。少なくとも数回、数時間PCを触り、完全に社会と断絶されずにいられることが、よい刺激になった」といった声が挙がっているという。

2022年10月より、子どもが生まれてから8週間以内に育休を2回に分けて取得できる制度「産後パパ育休」が開始した。男性も女性も育休が取得しやすくなった一方で、十分な準備期間を持てずに仕事と育児の両立をスタートしてしまい、復職後のキャリアやはたらき方に不安を抱える人が数多くいる現状があるという。

パーソルキャリアは今後も、社員が自らの意思でキャリアや人生を選択する「キャリアオーナーシップ」を育むための制度や取り組みを拡充させていく考えだ。