ただし、これまでのスパッタ法では、スパッタエリアが広くなると成膜ムラが生じやすく、大面積化に課題があり、10cm×10cmの成膜が限界であったという。そこで今回の研究では、酸素濃度の最適化や、プラズマエネルギー量の最適化、造孔材の最適化などを行うことで、1回につき最大5m2の均等な成膜を可能としたという。ちなみに、このサイズは200kW弱の水電解電極に相当するという。
なお、同社では、電極だけができても水電解はできないため、製品化に向けMEAを試作。すでに同社外の水電解装置メーカーにて、評価試験を進めてもらっているという。今後は、MEAの量産化に向け、東芝エネルギーシステムズと連携し、MEAの製品化に向けた条件出しを行い、歩留まりの向上や品質の改善を進めていく予定としており、2023年度以降の製品化を目指すとしている。