新潟大学は7月1日、高効率水電解セルと太陽電池を用いた太陽光水分解によるグリーン水素製造システムを開発し、世界最高クラスの太陽光-水素変換効率13.9%で、1か月間安定に水素を製造できることを実証したことを発表した。

同成果は、新潟大 自然科学系の坪ノ内優太特任助教、同・ザキ・ナビホ・アハメド・ザハラン特任准教授、同・八木政行教授、産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センターの佐山和弘博士、同・菅谷武芳博士、同・三石雄悟博士、同・牧田紀久夫博士らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国化学会が刊行するエネルギー変換と貯蔵に関する学際的な分野を扱う学術誌「ACS Applied Energy Materials」に掲載された。

環境問題の観点から、太陽光などの自然エネルギー由来の電力(グリーン電力)を用いた水電解による水素製造が期待されている。太陽電池と水電解セルを組み合わせた太陽光水電解水素製造システムは、その最たる例とされているが、電気分解によって得られる水素の変換効率が低く、それをいかに高めるかが課題とされてきた。

高い太陽光-水素変換効率を達成するには、太陽電池の効率と水電解セルの効率の向上に加えて、両者の最大出力比の最適化が重要とされていることから研究チームは今回、高活性かつ安定な酸素発生触媒を開発することを目指したとする。