医療スタートアップのUbie(ユビー)は10月6日、27億6000万円の追加調達を実施し、総額62億6000万円にてシリーズCラウンドをクローズしたことを発表した。今回の総合メディカル、AAIC Investment、日本インパクト投資2号投資事業有限責任組合、楽天キャピタルを引受先とした第三者割当増資ならびに、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫、みずほ銀行の融資によるものだ。2017年5月の創業からの累計資本調達額は107億2000万円となる。

同社は、AI(人工知能)を活用した医師の問診支援システムを提供している。患者が病院の受付でタブレット端末に症状などを入力すると、内容から疑われる病気の候補を提示するほか、問診内容を医療用語に変換し、カルテ作成の負担を減らす。また、質問結果を踏まえ、家庭でどういった医療機関や相談先に行けば良いかを教えてくれる医療のかかり方支援するアプリも提供している。2020年には海外拠点も設立した。

同社は今後、生活者・患者と医療機関の連携のみならず、製薬企業との連携も強化していく。医療プラットフォーム上で3者をつなぎ、製薬企業が持つ疾患・医薬品についての情報や科学的知見を、生活者・患者と医療機関にとって必要なタイミングで届く仕組みを提供していく。

今回調達した資金は、製薬企業向け事業の人員増強に充当する。2021年末の組織立ち上げからすでに国内外の大手製薬企業20社以上との取引があるといい、今回の資金調達を機に事業開発及びグロースを一層加速させていく考えだ。

また、既存サービスの導入とサクセスを担う医療機関向け事業の人員も増強する。さらに、生活者向けサービス症状検索エンジンのシステム開発ならびに、さらなる認知度向上を目的としたマーケティング施策の実施にも充当していく方針だ。