具体的には、ポリウレタンゴム上に金を成膜し、その上に液体金属をコーティングすることで、高いガス・水分バリア性と伸縮性を両立した薄膜のガスバリアフィルムを開発。金薄膜はポリウレタンの伸縮に耐えることはできないが、液体金属がポリウレタンゴムを被覆することでガスと水分の透過を抑制する仕組みだという。
バッテリーの構成材料としては、電極基材として多孔性SBSが、負極・正極活物質としてはそれぞれLTO(Li4Ti5O12)とLFP(LiFePO4)が、セパレータとしてゲルセパレータが用いられ、バッテリーに伸縮性が付与された。その上で、バッテリーをガスバリアフィルムで上下から挟み込んでパッケージングすることで、ストレッチャブルLIBを実現。大気中でも15時間以上にわたって高い電圧を維持できることが確認されたという。
なお、研究チームでは今回の成果について、ストレッチャブル・デバイスの特性に応じた伸縮可能なバッテリーの実現に向けた試金石になるとしており、今後はガスバリアフィルムの低コスト化を行うことでストレッチャブル・バッテリー、ストレッチャブル・デバイスの社会実装につながることが期待されるとしている。