オムロンは、同社の現場データ活用サービス「i-BELT」で活用するためのデータ活用基盤となる「i-BELT Data Management Platform」(i-DMP)を開発し、8月18日からサービス提供を開始すると発表した。
同社によると、i-DMPはSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)とBI(Business Inteligence)の2つの利点を併せ持ったもので、データの収集、変換、蓄積、可視化が可能だという。
オムロンは2017年に、現場データ活用サービス「i-BELT」の提供を開始。i-BELTでは、製造管理や品質管理、設備効率管理などをクライアント個別でデータ活用ソリューションを提供している。
これまでi-BELTサービスの提供においては、データの収集などのニーズにその都度システムを構築するなどの対応をしてきたという。
同社では、i-BELTを展開するにあたり、共通のプラットフォームとなるi-DMPを用いることで、システム構築の期間を短縮し、より詳細なデータを用いた提案などを行っていくとのことだ。
オムロン京都太陽でi-DMPを用いた実証を行ったところ、システム構築までの期間が従来比で8分の1となり、設備データに加えて人作業のデータを常時取得することで現場一人一人の状態を把握し、生産性11%向上も達成したとしている。
i-DMPは多様なネットワークやリージョナルデータベース(RDB)、FA機器と簡単に接続することができ、既存システムや各社PLC情報など、現場に点在するデータを必要に応じてエッジ領域でリアルタイムに収集・蓄積し、一元管理が可能。
クラウドなどを使用しない、スモールスタートで製造現場でのデータ活用ができるという。また、i-DMPの拡張性の高さを活用し、設定したゴールや進化シナリオに応じて段階的に機能を拡張し現場へ展開することができるという。
また、i-DMPによってエッジ領域で多様なデータを収集・蓄積し、一元管理を可能にすることで、データ分析を通して製造現場で自動化すべき領域を特定、さらに制御へのフィードバックも可能になるとしている。
同社は2025年度までに、i-DMPやi-BELTを含むソリューション事業全般で500億円以上の売り上げを目指すとしている。