「三沢」というと、何を連想するだろうか。多くの人は、「基地」を思い浮かべるかもしれない。三沢とは、青森県の太平洋側に位置する三沢市。ここには、米軍、自衛隊、民間航空会社の3者が滑走路を共同使用するという国内唯一の形態の「三沢空港」があり、古くから空との関わりが深い街である。
じつは筆者、8月の頭に三沢空港に隣接する「三沢航空科学館」にロボットイベントの仕事で行っていたのだが、この科学館、とても特徴的で面白い。「それならば記事にせい」と編集部から無茶振りを受けたこともあり、ここで紹介しておきたい。子供も大人も楽しめるところなので、夏休みの旅行先などに検討してみてはどうだろうか。
三沢航空科学館はどんなところ?
三沢航空科学館に来て驚くのは、まず広いこと。床面積は約11,000平方mもあり、広さは国内最大級だという。「航空」と名が付くだけのことはあり、飛行機の展示が充実していて、館内に7機、屋外に11機の計18機もの実機や復元機を見ることができる。これほどの数の飛行機が見られる科学館は、日本でも有数だろう。
さらに、敷地の隣がすぐ滑走路なので、離陸・着陸する飛行機も見放題だ。日によって違うそうだが、筆者がいた3日間はF-35やF-16が轟音を響かせてバンバン飛んでいるのを館内から見ることができた。たまに民間の旅客機も飛んだりするので、航空ファンにはたまらないスポットだろう。
筆者はライター業の傍ら、「ロボットゆうえんち」のスタッフも務めており、夏休みや冬休みなどのシーズンにはよく各地の科学館へ巡業に行ったりしているのだが、こんなに飛行機だらけの環境でイベントを開催したのは初めてであった。ただ今回はイベント業務で忙しく、ゆっくり展示を見る時間が無かったのはちょっと残念なところ。
そして科学館としては、体験型の展示の多さも特徴と言えるだろう。たとえば「大空を飛ぼう」という展示は、高さ10m以上の場所にあるレールの滑車に腹ばいの状態で吊られ、結構な速さで滑空するという、まるでテーマパークのアトラクションのようなものだ。
本当に大空を飛んでいるような感覚で、眼下の展示機を眺めることができるというのは何とも面白い。ロボットのイベントコーナーはちょうどこの下だったので、何度も飛んでいる子供達を見たのだが、みんな楽しそうに手を振っていたりしたのが印象的だった。
この展示は、ハーネスの都合上、身長120cm以上という制限があるため、小さい子供は体験できないものの、体重制限は110kg以下となっており、大人でも楽しむことができる。2021年のリニューアル時に新設された人気コンテンツで、中にはすでに数10回も乗ったというリピーターもいるとか。