損保ジャパンとSpace BDは8月3日、宇宙産業の発展を目的とした包括協力協定を締結し、軌道上に衛星を打ち上げて軌道上での実証実験などを目指す開発者や、国際宇宙ステーション(ISS)などを利活用したさまざまな取組みを予定する打ち上げ希望者に向けて、打ち上げ失敗時の再打ち上げ機会を提供する「リフライト保証制度」を組み入れた、新しい打ち上げサービスの提供を開始することを発表した。
米国を筆頭に、宇宙での商用活動が世界レベルで活発化しており、日本でも宇宙ビジネス関連企業が増加中だ。しかし宇宙活動は、地上では想定できないさまざまなリスクを伴い、その中でも特に打ち上げ失敗による追加コストの発生は、開発・事業化における大きな課題となっている。
そのような宇宙活動に伴うリスクを軽減させ、宇宙産業のさらなる発展に貢献することを目的として、今回両者は包括協力協定を締結することにしたという。
今回の締結に伴い、まずは衛星事業者とISS利用事業者向けに「リフライト保証制度」を利用した、衛星などの再打ち上げサービスの提供を通じ、実証・事業化フェーズの宇宙事業者や研究機関などの宇宙利用に向けたサポートを開始するとした。将来的には、同サービスの対象を今後拡大が予想される月輸送にまで拡張していき、顧客の月ビジネスへの進出も支援していくとしている。
今回のサービスにより、打ち上げ希望者が「リフライト保証制度」を利用して、打ち上げ失敗時に再打ち上げ機会の提供を受けることが可能となる。打ち上げ希望者は、Space BDが提供する衛星打ち上げサービスにおける有償オプショナルプランとして、リフライト保証を選択することが可能だ。この再打ち上げに関わる費用は、損保ジャパンの引受により保険化される。
なお損保ジャパンとSpace BDの両者は、より多くの顧客に宇宙活動を安心して取り組んでもらうために連携を図り、宇宙活動におけるリスクを対象としたソリューションの構築だけでなく、新しい保険商品の開発および宇宙を活用した新たなビジネス創出についても検討していくとしている。