インテージヘルスケアとSpace BDは、新薬創出のためのAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet(ディープカルテット)」と、宇宙特有の微小重力環境を活用した「高品質タンパク質結晶構造解析サービス」を連携させた共同研究を開始することを4月7日に発表した。

同共同研究では創薬研究における化合物の最適化の技術開発を目的とし、AI創薬の技術によりデザインされた医薬品の新規化合物と、疾患に関連するタンパク質との相互作用を、宇宙実験で明らかにしていくという。

2022年中の実験サンプル打ち上げと宇宙実験を経て、地上回収の後、X線結晶構造解析とAIによる最適化計算を予定している。将来的には、宇宙実験により得られる緻密な構造データと、AIによる化合物デザインのアセットを活かした創薬研究支援サービスの提供を視野に入れた取り組みだという。

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟では、宇宙特有の微小重力環境を活用して、高品質なタンパク質結晶を生成し、地上実験では得られない緻密な構造情報を取得し、取得した構造情報とAI創薬の技術を用いて、薬物設計において重要とされる「弱い分子間力」をも考慮した化合物の最適化技術の開発を行うとしている。

  • 今回の取り組みの概要図

    今回の取り組みの概要図(提供:Space BD)