リコーは8月2日、スパイダープラスとともに、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速を目的として、「RICOH360」プラットフォーム事業とスパイダープラスの建設DXサービス「SPIDERPLUS」事業の協業を開始することを発表した。
リコーが展開するRICOH360は、360度カメラによる画像・映像を中心とした業界横断型プラットフォーム事業を展開するブランド名称だ。一方で、スパイダープラスが手掛けるSPIDERPLUSは建築図面や現場を管理可能なアプリだ。
リコーは360度カメラのプラットフォーマーとして、技術情報および機能をSPIDERPLUSに提供し、建設業のユーザーニーズを踏まえた短期での課題解決、および、市場動向を踏まえた中長期での課題解決に向けたRICOH360の機能強化を進めるという。また、両社が知見を持ち寄り、建設業界に特化したソリューションを提供することで、ユーザー企業のワークフローのDXに貢献するとのことだ。
今回の協業において、リコーは360度カメラ「RICOH THETA」の機能を拡張するための「THETA SDK」に加えて、「AI超解像度/AI明るさ補正機能」「AI画像切り出し機能」など360度画像に関わる機能をパッケージ化し、RICOH360プラットフォームとしてSPIDERPLUSへ提供する。
さらに、このRICOH360プラットフォームをSPIDERPLUSへ実装するための検証を開始するとのことだ。これにより、リコーは「画像の鮮明度」や「360度写真を加工する手間」といった従来の360度カメラの活用におけるSPIDERPLUSの課題解消にも寄与するとしている。
また、両社は、建設業界において官民が一体となって推進する「BIM(Building Information Modeling)」において、360度画像と組み合わせたサービスに向けた検証も開始する予定だ。「3次元図面(BIM)×2次元写真(一般的な写真)」の組み合わせだけでは実現できない、BIMに期待される直感的なインターフェースなど、BIM本来の機能が施工管理においても発揮できるようになると期待されるのだという。