ExpressVPNは7月26日、アメリカの1,500社の雇用主と1,500人の従業員を対象にPollfishと共同で行った「企業や従業員がメタバースで働くことをどのように考えているか」を明らかにする調査の結果を発表した。

調査では、約半数の従業員がリモートワークかハイブリッド(オフィスとリモート)のどちらかで働いており、現在オフィス環境のみで仕事をしていると報告している従業員は40%にとどまっていることが明らかになった。さらに、多くの企業が将来的にハイブリッド環境へ移行することを計画しており、将来的にはオフィスでの仕事環境はさらに少なくなることが予想されるという。

  • 従業員の現在の仕事環境 引用:ExpressVPN

同社は、ハイブリッドやリモートワーク環境では、労働者の生産性を維持し、職場とのつながりを保つためにテクノロジーに大きく依存するようになると指摘している。同調査でも、労働者と雇用主の双方が、テクノロジーの進歩によって生産性が向上して、同僚とのつながりが深まったと認めており、その中でも、ビデオ会議があらゆるテクノロジーの中で最も職場のつながりを促進すると回答。これに、「対面でのミーティング」「インスタントメッセージ」「メール」「メタバース」という回答が続いている。

  • 同僚とのつながりを最も感じられるコミュニケーションツールは? 引用:ExpressVPN

また、メタバースを使用する仕事環境について、従業員と雇用主の両方が関心を示しているものの、雇用主の方が圧倒的に関心が高いことがわかったという。雇用主は従業員と比べて、メタバースについて「非常によく知っている」と回答する割合が約2倍になるという結果になっている。雇用主は、メタバースオフィスの見通しに関して、期待感や好奇心、前向きな傾向が強いのに対し、従業員は不安や疑念を抱く傾向が見られており、それぞれの考え方の差が明確になった。

  • メタバースについてどう思いますか? 引用:ExpressVPN

その理由としては「監視活動」が挙げられている。職場での監視に関する従業員の最大の懸念は、リアルタイムで行われる位置情報追跡および画面監視となっている。雇用主は、メタバースでの職場会議の録画、勤務時間の追跡、リアルタイムの位置情報追跡と画面監視に最も関心があると回答しており、それらに難色を示す従業員が多いのだという。

  • 職場でのオンライン監視について 引用:ExpressVPN

同社はこの結果について「多くの従業員が職場での踏み込んだ監視に否定的なことを考えると、雇用主はメタバースオフィスにおけるさらなる監視活動の実施を計画する際には慎重になり、従業員の信頼と満足度を損なう可能性があるかどうかを検討すべきです」との見解を述べている。

一方でメタバースを使用することでのメリットを感じている従業員も多く、「メタバースでの仕事に興味を持った理由は?」という質問では、「在宅勤務が可能になること」が45%で最も多く、これに「同僚とのコラボレーションが容易になる」(36%)、「仕事の機会が増える」(33%)、「バーチャルで出張できる」(33%)という回答が続いている。

  • メタバースに興味を持った理由は? 引用:ExpressVPN