個人向け資産管理・家計管理アプリケーションや法人向けクラウド会計サービスなどを提供しているマネーフォワード。同社では「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに、サービスの提供を通じてユーザーの人生を豊かにし、より良い社会にすることを目指している。

6月23日、24日に開催された「TECH+ EXPO 2022 Summer for データ活用 データから導く次の一手」では、そんなマネーフォワードから執行役員 サステナビリティ担当 CoPA Fintech研究所長の瀧俊雄氏が登壇。「金融データが行動を変える」と題し、Fintechが必要とされる理由やトレンド、Fintechを通じて同社が目指す姿について語った。

コアビジネスに注力できる時間の増加で不安を解消

マネーフォワードはSaaS×Fintech領域で国内最大級のユーザー基盤を有しており、サービス利用者は個人から中小企業・大手企業、金融機関に至るまで多岐にわたる。会計ソフトウエアや給与計算サービスなどに注目されがちだが、瀧氏は「こうしたソフトウエアやサービスだけでなく、その裏側でデータを自動収集し、人間が加工しなくても済むようにデータを成形。それを分かりやすくアクションにつなげる、という部分に付加価値の多くを集中しています」と語る。

  • 多岐にわたるマネーフォワードの提供サービス

同社はなぜFintechに注力しているのか、瀧氏が紹介した国民の不安に関するアンケートの結果からは、直近20年で不安要素のトレンドに変化はなく、見通しが立てづらい世の中になっていることから、多くの人々が今後の収入や資産の見直しに不安を感じていることがわかる。さらに深掘りすると、出生率低迷の最大の理由でもある「子育てや教育にお金がかかりすぎる」という家計面の不安が見えてくる。同社では、この不安を解消することこそが、社会全体を明るくする要因になると考えているという。

日本の労働生産性は世界の中でもかなり低く、特に大企業よりも中小企業にその傾向が強い。労働生産性を向上するためには、“良いものをしっかりと収益が出る値付けで売る”といった取り組みを丁寧に行っていかなければ、当然ながら社員の給与額も上がらない。また、中小企業の場合は規模によるハンディキャップをどのように乗り越えていくかも重要だ。

個人と違い、事業者の場合は「現在どのようなビジネスを手掛けているか」という部分に付加価値や変化の余地がある。しかし特に中小企業では、人材不足によってその変化を生み出せないのが大きな問題だ。例えば、間接部門の業務を経営者や現場担当者が兼任しているケースでは、商品開発や売上向上、商品の魅力を伝えるといったコアビジネスに割ける余裕がどうしても減ってしまう。コアビジネスに割く時間を長くとるため間接業務が深夜にまで及べば、今度は創造的な仕事に支障が出たり、集中できる時間を圧迫したりしてしまうのである。

「間接業務の自動化によってこれらの課題解決をサポートし、お客さまが本来のビジネスに注力できる時間を増やすことが私たちの使命です。収益性や生産性を高められれば、必ず給与にフィードバックできます。すると今後のお金に関する不安が減り、子育てなどに関する課題も解消するでしょう。そのためにFintechをどう考えるかという立ち位置にいるわけです」(瀧氏)