ストライクは6月17日、国内M&Aに関する独自の調査結果を公開している同社のサービス「M&A Online」により、2022年に公表された建設業界のM&Aで、 取引金額が過去10年で最高になっていることわかったと発表した。
今回、M&A Onlineは全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、 経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)を対象に集計した。
6月16日時点での取引件数は14件で、 2021年の50件を大きく下回っているが、 年間では2019年の30件、 2020年の31件並みには達しそうだという。
2022年の建設業界のM&A取引金額は1832億円で、2020年の1123億円を上回り過去最高を更新しており、 不成立に終わったインフロニアによる東洋建設へのTOBを除いても(1253億円)、 トップの座は変わらないとのことだ。
同社は、今年に建設業のM&Aが増えている背景として、通信工事を手がけるミライト・ホールディングスによる西武建設の子会社化(620億円)、セメント事業や医療関連事業を手がける麻生(福岡県飯塚市)による大豊建設の子会社化(403億円、7月の予定)、清水建設による日本道路の子会社化(222億円)などの100億円を超える大型案件が相次いだことを挙げている。
不成立に終わったが、 前田建設工業や前田道路などの持ち株会社であるインフロニア・ホールディングスが、 海洋土木大手で持ち分法適用関連会社の東洋建設に対して実施したTOB(株式公開買い付け)でも、 買付代金は最大579億円に達する見込みだったとのことだ。
東洋建設は、 任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」が6月下旬をめどにTOBを始める方針で、 通期ではさらに取引金額が膨らみそうだと同社は見ている。